【翼】
風呂からあがって部屋に戻ると俺が大切にしていたアルバムを唯が見ていた。
「それどっから見つけたんだよ!??」
「え、その辺???」
なんで疑問系なんだよ。
これ見せたくなかったんだよな。
「これあたしにちょうだい」
必ずそう言うと思ったから。
「無理」
「いいじゃん。ケチ」
俺の宝ものだし。
唯の次の次くらいに大事だし。
「それより今日泊まり???」
「そうみたい」
「へぇ」
「何よ、その意味深な笑いは」
「別に」
なんでもねーよ。
神様は俺を見放してなかった。
唯がここに泊まる=唯の親も泊まる
つまり、唯ん家には誰もいないってことじゃねーか。
「お前ん家行くぞ」
「え!!?なんで」
俺はその問いに答えず唯を引っ張った。

