何でここにいるの!?
「弁当忘れてたぞ」
「ありがとう」
そのためだけに来るなんて珍しい。
「どういう意味だよ」
「見りゃ分かるだろ。そういうのはほっといた方がいいんだよ。めんどくせー」
「お前の彼女もいじめられてるだろ」
「そうだな。きつくなったら言ってくるだろ。そしたら助けてやるし」
あたしのはいじめじゃないよ。
机とか教科書とか平気だし。
ただ睨まれるだけ、危害は加わらない。
「それに、コイツは強いから」
翼はそう言ってあたしの頭をクシャクシャと撫でた。
これ、結構好きだったりする。
予鈴が鳴り、あたしも翼も荒井くんもそれぞれの教室に入った。

