「…え?」 言葉が出ない 冗談だと思ったけど それにしては重すぎる 「俺、捨て子だったの」 「この神社に捨てられて 誰かが保護したんだって」 「1回来てみたかったんだ」 そう話すちー君は 少しも表情を変えずに ただ淡々としていた 「なんで、あたしを?」 「側にいてほしかったから」 「ちー君…」 「あぁ、ごめん迷惑だったね」 そう言って笑って見せた ちー君の瞳には、今にも こぼれ落ちそうな大粒の 涙がたまっていた 「ごめん、本当に…」 「いいの、全然」