――そして3月、
あたしたちは中学を卒業した


春休みとはいえ、
志賀は入寮の準備やら
高校の練習やら何やらで
毎日忙しそうだった

特に何もないあたしは
高校生活に胸を躍らせて
毎日を過ごしていた


――――

「晴夏~」
「あ!聡太~丸坊主だね!」
「やっぱ変かなー」
「そんな事ない、格好いいよ」

入寮するまであと1週間

春休みの思い出作りに
一緒に出かけることにした

「よし、じゃあ出発~」
「うわっ!危ないよ~!」
「しっかり掴まってろよ~」

自転車に2人乗りして
目指すはいつもの場所…