廊下を走って 教室から少しでも 遠いところを目指した 「聡太じゃなきゃだめなのに」 屋上まで走って泣いた 屋上から見た空は 茜色に染まっていた その景色が胸にしみて なんだか苦しくさせる 「晴夏」 「…聡太」 聡太は隣に座った 「泣いてるの?」 「ごめんね、聡太」 はあーっと息を吐きながら 聡太は大の字になって コンクリートの地面に寝転がる 「別に怒ってないし、 誤解もしてないけど」