陽菜が部活に行ったあと
また夏希の手を握って目が覚めるのをひたすら待った。
それでも夏希は起きる気配を見せない。
『あれ?桐島じゃん。』
そこへ現れた陸。
また俺は慌てて握っていた手を離す。
マジどんだけだよ…。
『おー陸!どした??』
何事もなかったように振る舞う俺。
そのときの陸の目はどことなく、哀しそうに見えた。
『夏希の様子見に来た。
桐島、部活あるんだろ?
俺が夏希のこと見てるからお前部活行ってきたら?』
何か企んでる??
『お前、なんか企んでる??』
軽く睨みを効かせ陸を見る。
『んなワケないじゃん!!
じゃあ部活行ってらぁ~』
半強制的に保健室を追い出された俺。
本当はあそこにずっと居たかった。
夏希のことが心配なのは勿論だが
それよりも心配なのは、陸のこと。
陸は夏希のことが好きなはず。
そして今は2人きり……
危ない!非常に危ないぞ?!
でもまだ中2だから大丈夫か?
などと俺は想いを巡らせながら部活に向かったのだった。