今から30分前くらいにさかのぼる。


『今日の社会の時間を急遽、ホームルームにする。』


俺はチャイムと同時に教室に入り言った。


今、教室にいないのは、

保健室で寝ている夏希と


生徒指導室にいる赤井みどりだけ。


『まずみんなに言いたいことがある。』


俯いている俺の生徒たち。


きっと俺が今から何を言おうとしているのか分かっているんだろう。


『俺はみんなに謝りたい。


ごめん………。』


俺は頭を下げた。



『なんで…なんで桐ちゃんが謝るんですか!!』


そのときクラス委員が叫んだ。



『顔を上げてください。』


クラス委員に言われ俺は頭を上げた。



『桐ちゃんは何も悪くないんです。


悪いのはイジメられていた、
海道を助けることができなかった…




……ここにいる全員です。』


クラス委員の言葉にクラス全員が頷く。



『ちょっと待てよ!!』


イスを派手に倒し立ち上がった陸。