「海道さん?1人で寂しくない??」


ニコッと嫌味のような笑みをあたしに向ける赤井みどり。


「別に?寂しくない…。

1人のほうが気が楽だしね。」


あたしは無表情で答える。



「海道さん、強いんだね。」



「そりゃ…どーも」


本当は強くなんかない。



ただ強がっているだけ。



1人で寂しくないワケがない。


本当は寂しくて、寂しくてどうしようもなかった。



泣きたいときは歯を食いしばって我慢した。



叫びたいときは部屋で大音量の音楽をかけて叫んだ。



誰にも迷惑をかけたくない一心で我慢した。



そんなあたしの変化に気づいた兄貴。



でもこのことは兄貴に言えなかった。



誰にも言えなかった……。


「いじめられてる」


なんて恥ずかしくて、

バカバカしくて言えなかった。