夏希との出会いは1年前にさかのぼる。
『桐島先生?!
海道が…海道が…!!』
息を切らしながら駆け込んできたのは1年生の体育教師。
『なんですか…??』
若干引き気味の俺。
『海道が…ソフトボールが…』
なぜか興奮気味の体育教師。
一体、どうした、って言うんですか??
『あの…海道って誰ですか??』
俺は体育教師と真逆で至って冷静。
『あぁ…今年の新入生なんですけど。』
落ち着きを取り戻した体育教師。
『はぁ…それで??』
『あ…で今1年はソフトボールをやっているんですけど、
海道がめちゃくちゃ上手いんですよ…。
で、この間桐島先生言ってましたよね?
”このままじゃヤバイって”』
あぁ…そんなこと言ったような気がするな…。
今うちのソフトボール部は正直レベルが低くて困っている。
『で……??』
俺が先を促すと
『だからその海道をソフトボール部に入部するように言ったんですよ。
そしたら
「あ…分かりました」
ってなったワケです。』
胸を張る体育教師だけど、
唾を飛ばしながら話すのはウザイな…。