「ごめん…別れよ。」


家にいると彼女から電話がかかってきた。


電話にでるとすぐに言われたこの一言。




『はっ?なんで……??』


妙に冷静な俺はどこかおかしいのかもしれない。




「龍貴より…好きな人ができた。」


彼女は小さな声で呟いた。



『な、何言ってんだよ??』


気づくと俺の瞳からは大粒の涙が零れていた。



「今までありがとう…。


ばいばい、龍貴…。」


それだけ言って切れてしまった電話。



”ばいばい、龍貴”



この一言が何度も頭の中で繰り返される。




彼女とは大学からの付き合い。


そろそろ結婚を意識していたのにまさかここで振られるとは予想外だった。



予想外どころの話ではない…。



俺は電話を握りしめたままその場に座り込んだ。



ださいな…

と、思いながらも涙は止まることなく零れ続ける。