『夏希。』


はい、と返事をして夏希は席を立った。


そして手紙をもらって席へ戻る。



「夏希、開けないの??」


夏希は鞄の中に手紙をしまってしまった。


夏希より前に手紙をもらった人は、
桐ちゃんからの手紙を読んで泣いている。



そんなに泣ける内容が書いてあるのかな…??



「あー、またいつか開けるよ。」


と、夏希が答えた。


いつか、っていつ開けるんだろ??


今開けてほしいんだけどな…。



『陸。』


夏希の次の番は陸だ。


陸は無言で桐ちゃんから手紙を受け取った。



それから友美も呼ばれて、もうすぐ私の番だ。



『陽菜。』


私は桐ちゃんのもとへ歩み寄る。



『頼むから誰もいないところで読んで。』


私に手紙を渡す瞬間、小さな声で囁いた桐ちゃん。


誰もいないところで読む??


相当ヤバイことでも書いてあるの??