『夏希?次お前バッターな。』


部活中守備についている夏希へ叫ぶ。



夏希は黙ったまま守備位置を離れてベンチに戻ってきた。



そして俺の顔をチラッと横目で見て素振りを始めた。




そのまま何も言わない夏希。



ん…………??


どうしたんだ…??



どことなく夏希の表情が暗い。



それにいつもなら素振りをしながら俺に話しかけてくるよな?



体調でも悪いのか??




『夏希?元気ないじゃん?

なんかあったのか……??』




「別に。」



また俺を横目で見て黙ったまま打席に立った夏希。



やっぱり元気…ないよな??



体調が悪いだけ?


機嫌が悪いだけ??



それとも俺の気のせいなのか…?



『大丈夫だよな?』


俺は独り言を呟く。



そうだよ!大丈夫だ!


どーせ明日になったらまた俺をからかうに決まってる。




今日はたまたまああいう風なだけだろ?