『夏希!!


ここに投げてこい!!!!』


桐ちゃんはグローブをバシッと叩く。



あたしは慣れない左で思い切り投げた。



でも、



『まだまだだな。』



ノーバウンドでは届かず、ワンバウンドして桐ちゃんのグローブの中へ入った。



「はぁ~」


思わず、溜め息がでてしまった。



どうしてうまくいかないんだろ…。



やっぱりもう、投げられないのかな…。




『夏希!!!


お前らしくねぇな。


こんなことで諦めちゃうのか?


タコっっ!!!!!』



た、た、タコだと?!?!



桐島。


てめぇは誰に向かってんなこと言ってるのさ?!



と、あたしの闘志がメラメラと燃える。



ま、簡単に言うと桐ちゃんにまんまとはめられたワケですが…。