『…………夏希か。』



なんかこんなようなこと、前にもなかったっけ?


男子のケンカの仲介をしたら
夏希が巻き込まれた、みたいな感じで。



『海道…怖っっ』


男子はそう言いながら自分の席へ退散。



恐るべし、海道夏希。



ってか男ども、もっとしっかりしろよ。


何、女に怯えてるんだよ…?


俺ははぁ~と溜め息をついて教室を出た。


もうチャイムが鳴るころだったからな。



「最近の夏希、相当苛ついてるみたいだよ。」


俺が職員室へ向かう途中に後ろから声をかけられた。


振り向くとそこには陽菜が居た。



『ん?どうした??』


陽菜は真剣な面持ちだった。



「だから夏希、苛ついてるのよ。


たまにあんな風になる。



本人は必死でいつも通りを装うとしてるけどね。」



『……んなこと知ってるよ。』


俺がそう言うと陽菜は驚いたような顔をした。



『きっとソフトができなくて苛ついてるんだろうな。』


と、俺が言うと陽菜はまたしても驚いたような顔をする。