―Side 龍貴―




『…………ウソだろ。』


小さな呟きをもらしたのは俺。



目の前には信じられないような光景が…。



思わず目を瞑りそうになる。




だって、だって……





俺はベンチにある鍵を見つけてその場を立ち去った。



あれは夢だ、夢。



そう自分に言い聞かせようとした。




試しに頬をつねってみる。




『…………いってぇ。』


悔しいけど、痛かった。



でも頬よりも

胸のほうが何倍も何百倍も


















………痛かった













―Side 龍貴 終―