『…………夏希??』
独り、球場に残っていたあたし。
いろんなことを反省しないといけなかったから。
後悔なんてこの球場に置いていきたかった。
そこへ誰かに声をかけられた。
ゆっくりと振り返ると
「大ちゃん……。」
の姿。
少し桐ちゃんがいてくれることを願った。
さっきの桐ちゃんの悲しそうな瞳が忘れられなかったから…。
『横、座ってもいいですか??』
大ちゃんはそう言ってあたしの横を指さした。
あたしはゆっくりと頷いた。
『お疲れ様でした。』
大ちゃんはそう言って少し哀しそうに微笑んだ。
大ちゃんにこんな笑顔をさせたのはきっとあたしのせいだ。
あたしがあんなホームランを打たれなければ
大ちゃんの笑顔も
桐ちゃんの瞳も
嬉しさに溢れていたはずだったんだ。