『ストラーイク!!』


あと、2球。


あと2球で終わる。


『夏希………。』


俺は夏希を見つめる。



やっぱり夏希はおかしかった。


ずっと肘が痛かったんだ。



どんなケガなのかは分からない。



でもアイツはきっと1人で悩んでいたんだ。


肘が痛くても



どんなに辛くても



アイツは誰にも弱音を吐いていなかったんだ。



『ボール』


夏希の髪の毛から地面へと汗が落ちる。



今もきっと肘が痛いんだ。



なのに無理して頑張っている。



夏希……頑張れ。