ゆっくり横を向くと


『島先生……??』


が、泣いていた。



『僕、感動しました。

本当に、おめでとうございます!!』


と、島先生は一言言ってまたワンワンと泣き出した。



それにつられたようにみんなが泣き出す。



ただ1人を除いて。


「みんな、勝ったんだから笑わなきゃ!!」


と、部員たち1人1人の肩に手を置きながら言うのは夏希。




『お前も泣けばいいのに。』


俺の目の前にきたとき、俺は思わず呟いた。



「桐ちゃんこそ泣けば??

もう涙がここに溜まってるよ。」


と、言って俺の目元を指す夏希。



俺はうるせーよ、と言い夏希の頭を撫でた。



『お前がいてくれてよかった。

お前がこのチームを引っ張ってくれたんだ。



夏希…ありがとう』



俺は普段なら恥ずかしくて言えないようなことを言った。


夏希は照れくさそうに笑っている。



「ほら、みんな!!重大発表だよ!!

桐ちゃんの奢りで打ち上げだって!!」


俺のほうを一瞬チラっと見て言った夏希。



仕方ない、今日くらい奢ってやるよ。


『よし、じゃあー焼肉行こう!!』


と俺は叫び歩き出した。



隣には夏希。


今までで一番いい顔してるよ、夏希…