『あと3つアウト取ったら俺らの夢が叶う。



俺はここからしか見守れない。

本当はお前らと一緒にグラウンドに立ちたいんだけどな。


だから俺の夢もお前らに託した。


頼んだぞ。



よしっ!思う存分暴れてこい!!』


と、俺が叫ぶと



「「はいっ!!」」


部員全員も叫んだ。



そして笑顔でベンチからグラウンドへ走って行った。


今、地区大会の決勝戦。



7回裏。


5-3で勝っている。




ピッチャーはもちろん、夏希。


夏希に任せれば必ず勝てる。



それに今、波がこっちにきてるからな。


【カキーン】


そんなことを思っているといつのまにか、


「ワンアウトー」

アウト1つ。


あと2つアウトを取ればいい。


グラウンド全体を見渡すとみんなの目が輝いている。



楽しめ!!


もっと楽しめばいい。



学校のプレッシャーなんかはね除けて、楽しんでくれ。



それで負けたとしても俺は何も言わずに抱きしめてやるよ。