そして掃除を終わらせ重い足取りで職員室の桐ちゃんの席に向かう。



「桐ちゃーん、来ましたけど??」

中ちゃん(中村先生)と楽しそうに話していた桐ちゃんに話しかける。


『おぉ、夏希。
お前また一ケタだぞ??』


あたしの前に差し出されるテスト用紙。

『海道、いい加減に勉強したら?』


中ちゃんは後ろからあたしのテスト用紙を覗き込み言う。


「だって社会キライだし…

だいたい、あたしらが生きてるのは”今”だよ?


過去のことなんて興味ないし、
勉強する意味なくない??

”人は過去と同じ過ちを犯す”

なんて言葉あるけどさ、そうとは限らないじゃん?


今を動かしてるのはあたしたち。

過去の人が動かしてるワケじゃないじゃん。」


あたしの言葉に目を見開いている桐ちゃんと中ちゃん。


口にした本人(あたし)が一番驚いている。


なんであんな言葉がスラスラ出てきたんだ…??


『夏希さん、すごいですね。』

いつから現れたのか桐ちゃんの目の前の机に座っている大ちゃん。


「うわっ、大ちゃんも聞いてたの?!」

大ちゃんは頬笑みながら頷いた。


『しっかりした考えを持っているんですね。』

と、大ちゃんが言うと


『ただ捻くれてるだけですよ、コイツは』

桐ちゃんが捻くれたことを言う。

十分桐ちゃんのほうが捻くれてるよ…


「うるさい、桐島。

桐島のほうが捻くれてるでしょ?

人のこと言えないじゃんか。」


あたしは近くにあったイスに座る。