『お前、仮にも女の子だろ?』


俺の向かいに座って窓の外を眺めている夏希に声をかける。



「そうだけど…何か?」


窓の外を眺めたままの夏希。


こいつは本当に14歳なのか??



『なんでケンカの仲介なんかやるんだよ…?』



「え…?読書に邪魔だったし、あまりの幼稚さに腹が立った。」


やっと俺の方を向いた夏希。



『幼稚ってお前と同い年だろ??』


と、俺が言うと夏希は露骨にイヤな顔をした。



「あんなヤツと同じにしないでもらえます?

もう14なのに幼稚な言い争いして、

殴り合いまでして、

最終的にあたしに手、出したんですよ?

もうちょっと大人になれって言う話ですよ…。」


はぁ~と、溜め息混じりに話す夏希。



なんでコイツはこうも考え方が大人なんだよ…?



しかもすごく落ち着いてるし…。



でも俺には分かってる…。



夏希が本当はどういうヤツなのか…。



部活でも常に一緒にいる俺とお前。



だから分かるんだよ。


分かりたくなくてもな。



夏希…無理だけはするなよ…??