『おい、夏希~

お前のせいでまた怒られちゃったじゃん。』


帰りのホームルームの後、桐ちゃんが夏希に声をかける。



「またアイツ??」

夏希はうんざり顔。



アイツとは英語の教師のこと。


夏希が授業中に寝る度に桐ちゃんに文句を言うらしい。



『お前また寝たんだって??』


掃除をしながら2人の会話に耳を澄ます。



「だって眠かったんだもん。」

教壇の上に座る夏希。


教師の前なのによくやるよ、この人は…。



『眠かったじゃねぇよ。』


桐ちゃんは夏希を注意する気もないらしい。


まあ毎回のことだし、仕方ないんだけど。



「誰も睡魔には勝てないの。」


屁理屈女王、夏希様。



『努力すれば勝てる。』

理屈王、桐ちゃん。



「努力なんてバカバカしい。」


ひねくれ夏希。



『お前、努力することをバカにしちゃイカンだろ?』


真っ直ぐな桐ちゃん。



と、言う感じで言い争いは10分以上続いた。


この2人が付き合ったら本当におもしろいと思うんだけどな…