陸に


『お前を笑顔にさせれるのは俺じゃない。

お前を喜ばすことができるのは俺じゃない。

お前を幸せにできるのは俺じゃない。

お前の手を引いて導いてやるのは俺じゃない。』


と、言われ、陸はあたしの気持ちに気づいているんだと分かった。



『目、覚ませ。夏希。
自分の気持ちに嘘を付くな。』


と、言われ、あたしは自分が自分にウソをつこうとしているんだと気づいた。



『今すぐには無理かもしれないけど…

でも卒業してからでもいいから、
自分の気持ちに正直になれよ。


当たって砕けろ!!

砕けたら意味ないけどな。』


と言われて、ちゃんと向き合おうと思えた。



最後まであたしたちの手は繋がれなかった。


最後まであたしたちの気持ちは繋がれなかった。


正直、陸に別れを切り出されるとは思っていなかった。



だからあのときビックリしたんだ。

時期を見てあたしから言おうと思ってたのにね…。


でも陸が言ってくれて少しほっとした。


自分から頼っておいて、

今度は突き放すなんて荷が重い。


だからって突き放さないワケにはいかないことも分かっていた。



ごめん…陸。




そして……


ありがとう…陸。


最後まで付き合ってくれて…



ありがとう……。