『そういう偽善者ぶってるヤツ、


俺、ちょーキライなんだって…。


そこ、どけよ……。』


男Aは男Bではなくあたしに怒っているみたい。



へぇ~あたしにケンカ売ろうっていうのか…?


良い度胸してるじゃん…。



「夏希?!ダメだよ!落ち着いて!!」


そんな陽菜の声が聞こえた気がした。



「あのさぁ~あたし別に偽善者ぶってるつもり、まったくないから。


ただあんたみたいに幼稚なヤツ見てるとムカつくんだよね…。」


ケンカは売られたら買います派のあたしは逆にケンカを売る。



『俺が幼稚だって…?!

女のクセに強がってんじゃねぇよ!!


早くそこどけよ…。

どかないと殴るぞ……??』



バカか、男A


女に手出せるほどお前は強くないでしょ??



「へぇ~

じゃあ殴ってみなよ?

どうせできないんでしょ??」


クラス中が静まりかえる。



そんな教室に鈍い音が響いた。