「りく~!!」

手を振りながら駅前の時計のところにいる陸のところへ向かう。



『よっ!夏希!!』


顔を上げた陸はあたしを見て微笑んだ。


陸の笑顔を見ると胸が苦しくなる。


あたしのしたことはやっぱり間違えだったのかな…って。


たまに…ううん…しょっちゅう後悔する。


ただ陸を傷つけただけだったんだ。


でも陸に傍にいて支えて欲しかった。


なんてあたしの我が儘。


ごめんね…陸。



『夏希?大丈夫か??』


はっと我に返ると陸があたしの顔を覗き込んでいた。



「あーうん。大丈夫」


ニコッと微笑むあたし。


そんなあたしを見て陸は安心した様子。


ただ目が少し哀しげだった。


あたしの気のせいかな…??


『映画行くんだろ?

早く行かないと始まっちゃうんじゃねぇ?』


陸は時計を見る。


あたしも時計を見るともう上映時間ぎりぎりだった。



「陸!早く行こうよっ!!」


あたしは陸に合図して走り出した。