『まあ聞くまでもないよね。

陽菜ちゃんのことだし、夏希が学校休んでるから様子見に来てるんでしょ?』


仁さんはニコッと微笑む。



「さすが仁さん!!

その通りですよっ」


私もニコッと微笑む。



「なんだ…。

そんなことだったの??」


夏希はボソッと吐き捨てる。



「そんなことじゃないって…

部長不在で副部長(私)の仕事が増えるんですけど?!」


夏希の目の前に立つ。



「まだケガ治ってないから仕方ないじゃん。」



『ウソつき……』


そのとき仁さんの小さな呟きが…


私は仁さんの方を振り返る。



『夏希のケガは軽いからもう治ってるよ。

なぁ?夏希??』


仁さんの問いに夏希はうんざり顔。



「なんでそれ言うかなぁ~??」


夏希はそう言ってスクッとソファから立ち上がりジャンプしてみせる。



「ケガ完治ですけど??」


夏希は着地して私の方を見る。



な、なぜこんなに夏希は挑発的な顔をしているんだ??


ウソついたくせにさ……。