【ピンポーン】
私は1週間ほど学校を休んでいる夏希の家のインターホンを押す。
「はーい」
と、中から声がして玄関が開いた。
「……陽菜っ!!」
玄関からでてきたのは無論、夏希。
「ちょっとおじゃまするよ。」
私は夏希を押しのけ勝手に家に上がる。
「仁さん、こんにちわー。」
リビングに入ると仁さん(夏希のお兄さん)がテレビを見ていた。
『あっ!陽菜ちゃんじゃぁん!!』
仁さんはムクッと起きあがり私に抱擁。
「欧米かっ!!」
そこへ夏希のツッコみ。
でも仁さんはその言葉を流し、
私から離れて
『で、今日はどうしたの?』
と、言った。
夏希は
「はぁ~」
と、大きな溜め息をもらしていた。
こんな兄妹なかなかいないと思う。
そして私は珍兄妹が大好きなんだ。
いつ来ても仲が良い。
仁さんは誰にでも抱擁する癖を持っている。
それを見た妹、夏希は必ずツッコむ。
そして必ずそのツッコみを流す仁さん。
いつ見ても笑えるんだな。
ってそんなことどうでもいいかっ…。