『夏希!ナイスだ!!』


あたしは動かしていた足を止めた。



『やるじゃんかぁ!!

さすが4番だけはあるな!!』


そう言ってヘルメットの上からあたしの頭を叩く先生。



あたし


海道 夏希(カイドウ ナツキ)

私立の中学に通っている。


ちなみに中学2年でソフトボール部主将を務めている。



そしてあたしの隣で指示を出す顧問であたしのクラスの担任の


桐島 龍貴(キリシマ リュウキ)




「あ?

うるさいよ、桐ちゃん。」


あたしは先生のことを桐ちゃんと呼ぶ。



『お前何回言ったら分かるんだよ?

俺のこと”ちゃん”付けすんなよ!!』


桐ちゃんはあたしを見下ろす。



そんな桐ちゃんをあたしは横目で睨む。



桐ちゃんは桐ちゃん。


今更、先生を付けろって言う方が無理な話なんだよ。



もう桐ちゃんと呼ぶようになって1年以上経つんだから。