唇をそっと離す。
すると、
律果がゆっくりと喋り始めた。
「あのね、本当は、怒ってなんかいないの」
「ぇ……」
「あのときの会話、ちゃんと聞こえてた。優は悪くないってわかってたの。だけどね、ただ、ただ、もっと優にハッキリ言って欲しかっただけ。”彼女いるから、無理だ”って、全力で断って欲しかったっ。ただ、ヤキモチ妬いてただけなの……ッ」
涙を流しながら、「ごめんね、ごめんなさい」と言っている律果。
そんな律果が、
たまらなく愛しくて。
「そっ、か。あのさ、こんなこともあって言うことじゃねぇんだけど、あいつにちゃんと話すチャンス、くんね? ちゃんと断って、律果がいるからって言うから、会ってもいいか?」
「……誘惑に負けたら許さないから」
律果はそう言って、俺の首のところに腕をまわして、「信じてるからね」と優しく囁いた。

