──キーン コーン カーン コーン
「ほら、チャイム鳴ったぞ」
「えー優の前で授業受けたいー」
「アホ。早く戻れ」
「もぉ」
少しムッとした顔で、席から離れて行く律果。
いや、俺だってお前が前にいてくれたら嬉しいけど……。
「わりっ」
「いいよ、全然」
俺のうしろに、俺の前の席の奴が立ったんだから……。
”ここにいてもいい”なんて言えるわけねーだろー……。
俺は英語の教科書を開く。
あれ? ノートは……ぁ。
俺はバッと律果の方を向いた。
律果はニコニコと笑って俺を見ている。
はぁ……。
この日、俺はノートなしで英語の授業を受けた。

