「そいつ、すっげぇわがまま娘。
すげぇマイペースだし、とにかく突然。

でも……可愛いんだよ」

「……」

「だから、俺はお前を助けられないし、それ以前に助けたいとも思わない」

「ゆ、た……」

「ごめんな」


そう言って、俺は自分の家に入った。


ぁー……やばい。

今、



めちゃくちゃ律果に会いたい。




会って……抱きしめたい。


俺はケータイを開く。

そこには、数十件もある律果からの着信。

やべ……サイレントにしてたんだ。


着信以外にも、メールが入っている。


【買った袋の中に、
優の財布入ってたよ〜。
今どこ?
律果】

もう一件ある……。

【電話でないし、
そっちに届けにいくね〜。
チャリで行くから、大丈夫だよ
律果】

おい……まさか。

このメールが届いたのは十分前。

律果から俺の家までチャリで五分。

もう、とっくに俺の家についているはずだ。