「……その彼氏のこと、“好き”じゃないんなら別れろよ。
“好き”なら、精一杯キモチぶつけろよ。
“好き”でも相手が応えてくれないんなら、頑張ればいい。俺に助けを求めてる時点で、お前、本当は」
「うっさい!!!」
「……川崎」
「なんでぇ……っ。
昔は、昔は……っ、『郁』って、ギュッてしてくれたじゃん!!
キスしてくれたじゃん!!
あたしにべた惚れで、説教なんて、一度もしなかった癖にっ!!」
泣きながら、必死に俺を睨む川崎。
……お前の言ってること、正しいよ。
昔の俺は……お前の言う通り、お前にべた惚れで、溺れてた。
「……たしかに、俺はお前が好きだったよ。
だけど、今は……
もっと好きな女ができたんだ」
「ぇっ……」
俺は優しく笑って、続けた。

