「ぁ、ここ!」
「……あのさ、もうちょっと俺のこと考えてくんない?」
「優好みの買ってあげる」
「いや……」
なんで、彼女の下着を買うのにつき合わないといけないんだよ。
さすがに、店に入ることはできないから、俺は近くのベンチに座って律果を待った。
はぁ……。
どうしてあんなに真剣に選んでんだよ。
なんか、こっちが照れるんだけど。
真剣に、けど……どこか楽しそうに下着を選んでる律果を苦笑いしながら見ている。
「あれ? 相沢くん?」
「ん?」
声がした方を見ると、
「菊川?」
中学のとき、同じクラスだった菊川美海。
そばには、友達だと思われる女子が二人。
「え、美海誰〜?」
「超イケメンじゃんっ!」
「あははっ。中学の時同クラだったの〜。相沢今、南高だっけ?」
「よく知ってんね」
「だって、相沢追いかけて南高行った子とかいるしっ」
「冗談やめてくれっ」
「あははっ」
「菊川は……」
「あたし、北高」
「梅本とかいるんだっけ」
「そうそう! 今同じクラス〜」
「まじでっ?」
菊川と話していると、律果が戻ってきた。

