「優太〜」
俺の名前を呼ぶこの声。
その声の主は……俺の、彼女。
西川律果(ニシカワ リツカ)。
ルックス、成績、運動神経、全部普通の、俺の彼女。
「どうした?」
「ねぇねぇ、英語の和訳やってある〜?」
「お前……またやってねぇの?」
「えへへー」
「ったく」
苦笑いしながらも、俺は英語のノートを渡した。
「ありがとー!」
俺の前の席に座り、俺の机で自分のノートに和訳を写し始めた。
「そこ、お前の席じゃないけど」
「えーいいじゃん」
「いや、もうすぐ授業始まるぞ? 自分の席でやれよ」
「いいのー」
「……あっそ」
俺はそう言って、机に肘をつきながら嬉しそうに和訳を写す律果を見つめる。

