【完】マイペース彼女







律果の手の温もりを感じながら、心地よく目を瞑っていると、ギシッという音が聞こえた。

「律果?」

見ると、律果は俺のベッドの上に頭を乗せて、右手を握りながら静かに寝息をたてている。

「……無防備な寝顔」

寝顔があまりにも愛しくて、俺はチュッと額に口づけをした。

「ん……」

「ふっ」

俺は、優しく律果の頭を撫でて、ベッドから降りる。

ゆっくりと握られた右手を離す。


「洗い物でもしときますか」


しっかし……あいつはいったい、どうやってお粥を作ったんだ??


俺は階段を降りて、リビングにある台所へと入る。

台所には、鍋と……


「これ、砂糖だしっ」


塩と間違えられたであろう、砂糖が置いてあった。


「甘過ぎだっつの」


塩味のはずが、いように甘かったお粥。

……なるほどね。

俺は苦笑いしながら、台所を片付けて行く。