しばらくして、律果がお盆にお粥が入った茶碗とスプーンを持ってきた。
「言っとくけど……普通のお粥だよ?」
「普通のお粥がいいんだよ」
そう言って、俺はお粥を食べる。
……ん??
「ど、どう?」
「……美味いよ。良かった良かった。これで、赤ちゃんには美味い飯食わせそうだな」
「なにそれっ」
笑う律果の頭を優しく撫でる。
俺は完食して、布団の中に潜り込む。
「おかわり、下にあるよ? どうする?」
「いや、いい。ちょっと寝る」
「ん」
律果は、お盆を持って立ち上がろうとする。
そんな律果の腕を掴んで、引き止めた。
「優……?」
「側に、いてくんない……?」
律果は一瞬目を丸くしたけど、すぐに優しく笑った。
「ふふっ、いいよ」
そう言って、俺の右手をギュッと握る。

