「……じゃ、じゃあ、手貸して」 「手?」 「うん」 なぜか必死そうな律果に、俺は律果の方に近い右手を差し出した。 律果は、そんな俺の右手をギュッと握った。 「ぇっ」 「昔ね、お母さんがこうしてくれてすごい嬉しかったの覚えてるの。 なんか、温かいでしょ?」 「……うん」 「よかった」 律果は嬉しそうに、ギュッと俺の右手を握る。 その姿は、 めちゃくちゃ抱きしめたいほど、 愛しかった。