卒業式が終わったのか、体育館の方から拍手の音が聞こえてきた。 そろそろ……か。 そんなことを思ってると、ダダダダダと誰かが走ってくる音が聞こえてきた。 この時間、 普通なら卒業式が終わって校舎の中に入る奴なんていない。 まぁ、写真を撮ったりするだろうな。 ……向かってくる奴で、想像がつくのはただ一人。 ──ガラッ 教室のドアが勢い良く開いた。 そこには、 目に涙を溜めて、嬉しそうに俺を見る、 律果の姿。