「ただいまぁ」
そう言いながら家に入ると、「おかえりー」と久しぶりに聞く声が耳に届いた。
「あれ? 姉貴、帰ってんの?」
「彼氏が合宿でいないんだもーん」
「ふぅん」
「ねぇ、律果ちゃんとはどうなの? もう、エッチした?」
ニヤニヤと、楽しそうに聞いてくる姉貴、咲(サキ)。
「彼氏いなくて寂しいからって、弟からかうの恥ずかしくないんですか」
「……口だけ達者になりやがって」
「律果なら元気にしてっから」
「元気じゃなかったら、優太を殴ってるって!」
そんな笑顔で言って欲しくないんですけど……。
咲は、どこか……律果と少し似ている。
だから、こうやってからかわれても、
強く言えない俺は、相当バカだと思う。

