【完】マイペース彼女





「熱くなかった?」

「当たり前」

「……優、意地悪」

「この二つ、最後だけどどうする?」

「じゃあ、勝負しよ」

「勝負?」

「先に、日玉が落ちた方が負け。負けたら、買った方の言うこと一つなんでも聞くの」

「いいな、それ」

「じゃあ、せーの」

一緒に火をつけた。

……さて、どうすっかなぁ。

律果の方の火玉を落とすのは簡単なんだけど……。



やっぱ、ちょっといじってやりたい。



「……律果、腕に虫ついてる」

「そういう手には引っかかりません」

「んじゃ、とってやる」


チュッと、律果の腕に唇を当てれば、「ひゃぁっ」なんて声と一緒に、ぽろっと律果の方の火玉が落ちた。