【完】マイペース彼女







唇を離し、額を合わせる。


「……上手すぎ」

「? なにが?」

「あんた、女いたでしょ」

「んーまぁ、チラチラと」

すぐ別れたけどな。

「……だから上手いんだ」

「ぁ、キス?」

そう聞くと、顔をボンッと音を立てて真っ赤にした。

キスって言葉一つで真っ赤になるとか……

相当純情だとみた。


俺の中のS心に火がついたのか、俺は律果の肩に腕をまわす。


「もっかいしよっか」

「ぇ、ぇえっ?!」

「キス」

また赤くなるし。

「ぁ、ぃ、ぃや……ぇえっ?」

「ふははっ。言っとくけど、今の俺のファーストキスだから」

「……嘘、嫌い」

「嘘じゃねーって。なんなら、セカンドキスも奪っとく?」

「〜っ」

顔をさらに赤くする律果がおもしろくて、俺はククッと肩を揺らした。

「じゃ、また明日な」

「……ばい、ばい」

「ふっ、バイバイ」


ちゅっと、律果の頬にキスをして、俺は自転車をこぎ始める。