【2】




「・・・マジ、これやばいな…。」


歩きながら携帯で時間を確認して軽く焦るあたし、立花菫。高校三年生。


バリバリ遅刻常習犯
・・・これでも一応、生徒会長やってます。



蒼「何やってんの・・・。」

「あぁ、神崎君…。おはよ」

蒼「おはよ…じゃ、ねーべ。あんた何してんの」


あたしを見て呆れるようにお気に入りの黒いネックウォーマーに顔をうずめる彼。
クラスメイトの神崎蒼吾。


「何って、別に。学校行ってるだけだよ?」

蒼「そりゃ、見れば分かるっつーの。何でそんなのんびり歩いてんのか聞いてんのよ。」

「・・・この時期の朝って苦手なの。寒いし、ねむいし」

蒼「・・・ふーん。…いいんだ、生徒会長が遅刻しちゃって?」

「・・・まぁね。」



蒼「五十嵐に怒られるんじゃあねぇの?」


突然出たその名前に、びくんっ…て肩が飛び跳ねる


蒼「……なに(笑)」


「・・・何でも、…ない」


『変なやつ』って口の端を少しあげた神崎君はそれ以上何も聞いてこなかった