「えみかー! どう、先輩いた?」 そんな声を耳に入れて、あたしはハッとした。 「んー…、…分かんない。 今日は会えないかもなあー…」 「えーっ」 そんな声を聞きながら、あたしは苦笑いした。 「やっぱ次体育だろうし、もう体育んとこに行ったのかも」 そう言って、あたしは無意識にも探そうと動かしていた首を止めた。 ──金曜日 5時限目の休み時間。 それが、あたしが彼に会える唯一の日だった。