翌日、道場で寝ていた私は勿論道場で目覚めた


お腹は空かないので、私はとぼとぼと勝太の部屋に向かった


途中、昨日会った女性と会ったが、見事にすり抜けた


私はそのまま周りに誰もいないのを確認して素早く襖をあけ……なかった



だって、今まで考えもしなかったけど、自分、亡霊なんだから、壁なんかすり抜けられるじゃない


思いきって進むと、案の定すり抜けた


そして、音もなく入ってきた私に驚いて叫びそうな勝太の口を急いでふさいだ



「…っむぐっ!!」


苦しそうなので離すと、勝太は申し訳なさそうに頭をかいた



「それより勝太、貴方はいつもなにをしてるんですか?」


すると、勝太は胸をはってこう答えた



「剣術の稽古をしているのです」


「剣術ですか…」


すると、勝太はうんうんと頷いた


「じゃあ、御家の方がいない時は、私にも教えてください」


すると、勝太はニッコリと笑って頷いてくれた


「ありがとう、じゃあ私は、すこしお散歩してきます」


そう言って、私はまた壁をすり抜けて試衛館をでて、町をあるき始めた