「てめぇら…いいかげんに「まあまあトシ、ここは俺に免じて許してやってくれ」
勝太の言葉に、頷くしかない土方
鬼の形相でこちらをみて、小さな声で「てめぇら、後で覚えときやがれよ…」と呟いていたのは、あえて聞かなかったことにした
すると、新八が「ん?なんだありゃ」とズカズカ土方の机に向かった
それに、土方はまだ気づいていない様だ
怒りを必死におさえこんでいる
平助、総司、山南も、笑を必死におさえこんでいて気づいていない
「なんだなんだ」と原田も新八につづく
すると、新八は土方の机の下から、一冊の冊子を見つけ出した
そう、あの伝説の、【豊玉発句集】である
とっさに身の危険を感じて逃げようとしたが、時すでに遅し
「ええと…梅のはなぁ!!一輪咲いても梅は梅!!」
新八が、元気に豊玉さんの句を読み上げた
「って、なんだこりゃ?あたり前じゃねぇか」
ブチッ
私には、たしかに嫌な音が聞こえた
「……てぇめぇらぁ…いいかげんにしやがれええええ!!!!」
「うお!!おちつけ!!」
「ちょ、あぶっ!!あぶねぇよ」
「てめぇら、そこになおれ!たたっ斬ってやる!!」
「「ギャー!!」」
ついにヒジキさんがぶちギレ、刀を振り回しなが、新八と佐之助、そしてなぜか総司と平助まで追いかけ始まった
私は勝太の背中に隠れたため、命拾いした
「待ちやがれえええ!!」
「「ギャー!!」」
「あははは〜」
「ちょ!!俺を巻き込むなよっ!!」
必死に逃げる新八、佐之助、平助に、笑顔で逃げる総司
そして、鬼の形相で三人を追いかけるヒジキさん
「あはは!!もうこんなに仲良くなったのか」
呑気に笑う勝太
そして、追いかけっこをくりなす四人を憐れみをこめてみつめる、山南
こうして、怒濤の一日が過ぎてゆくのだった
ちなみに、この追いかけっこは、四刻ほど続き、【豊玉発句集】は、また大切にほかんされたのであった