その質問に、キョトンとする男

「見えるもなにも、なぁ、新八」

すると、男の後ろから大男がやってきた

「ガハハハッ!!お嬢ちゃん、おもしれぇこと言うな」


そういって、私の肩を叩こうとしたとき

スルッ


「………え?」

「いっ、い、いま!?」


見事に大男の手が、すり抜けた

この人は、見えるのにさわれないのか



おそるおそるといった感じで、男がさわろうと手をのばすと


ぽん


「なんだよ、さわれんじゃねーか」


こちらの男は触れるようだ

それから、触れなかった男が、何回もさわろうとしてきたが、ことごとくすりぬけていた


「じゃあ、私はそろそろ帰る」


いい加減つかれたので、帰ろうとすると、手首をつかまれた


「お嬢ちゃん、ちょっとまった!!ここいらで、試衛館っつう道場しらねぇか?」

思いもよらぬ問いかけに、驚きながらも、私はいつものお決まり文句を言うことにした


「私は、試衛館に住み着く亡霊、鈴だ」


「どうだ!怖いだろ?」と言おうとしたが、それは男の声にかきけされた

「ホントか!!じゃあ、そこまで連れてってくれねぇか?」


男に続いて、大男も「頼むっ!!」と叫ぶ始末


私は、二人の男たちの圧力によって「わ、わかった」と言うしかなかった