町に出ると、何一つかわらない風景に、少しほっとした
龍馬はいないかな?
と探して見るが、やっぱり居なかった
私は、取り合えず饅頭を食べようと、甘味処に足を踏み入れ……
「ふぎゃっ!!」
られなかった
「てめっ、新八!!ふざけやがって」
「ああ!?てめぇがわりぃんだろぉが!!」
私が戸を開けた瞬間、物凄い勢いで大男が吹っ飛んできた
勿論、私をすりぬけ……るはずが、なぜか私も思いっきり吹っ飛ばされた
どうやら、ケンカに巻き込まれたらしい
目の前で取っ組み合いを展開する大男たちを、呆然とみつめる
「ちっ…いったいなぁ」
私は、なぜか傷みだけは感じるので、痛む腰をさすった
勿論、誰からも見えない私を心配して、手をさしのべる人なんて、いないわけで
私は、重たい腰なんとか持ち上げた
「お嬢ちゃん、ごめんな?大丈夫か?」
私に手を差しのべたのは、さっき吹っ飛んできた男の一人だった
「……私が見えるのか?」