それから、山南はよく縁側に現れては、私と一緒に茶をのむようになった


最初は警戒していたが、今では私の楽しみの一つになっていた


そして、今日も他愛もない話をしていた


「鈴は、いつも何処で寝ているんですか?」


「私は道場で寝てる」


相変わらず敬語を使わない私に、山南はいつも丁寧な口調でしゃべる


まあ、元々小さいとき高い身分にあったせいか、人に敬語で話すことが少なかったこともあるが、私は基本敬語は面倒だから使わない


そんな私をちゃんと理解して嫌な顔をしないでいてくれる人なんか、少ないだろう


まあ、そもそも私がみえる人が少ないが


山南は、総司や、勝太、龍馬のように、ちゃんと私を理解してくれた


土方は分からないが


「今日も沖田君に負けてしまいました」

山南の笑顔は、どこか悔しさがにじみ出ていた


「沖田君は、本当に強い」


山南の呟きに、私はなんだか鼻が高くなった気分になった


「うん、総は世界で一番強いんだから」


私の言葉をきいた山南が、ふいに笑った


「鈴は、沖田君の事を話しているときは、いつも笑顔ですね」


「そ、そうかな」


すると、今度は意地悪く笑った


「もし沖田君が負けたらどうするんですか?」


総司が負ける


そんな事考えもしたことがない


もしかしたら、負けるかもしれない


それでも……、


「それでも、総は、─────」