その頃、土方は───……
「チッ…総司の奴、また発句集盗み読みしやがった……やっぱり、自分で肌身離さず持ってるしかねぇな」
と、ぶつぶつ独り言をいいながら歩いていた
そして、ふと、自分の懐が軽いことに気づいた
「……っまさか」
土方は、自分の懐に触ると、案の定……
「発句集が……ねぇ」
自分の顔が、みるみる青ざめるのが分かった
いつだ?
たしか、あのあと総司から死ぬ気で発句集を奪い、懐に発句集をしまい、廊下を歩いていて……
「……まさか」
さっき鈴とぶつかった時に……
だとしたら…、
「俺としたことが……一生の不覚だ」
「なにがですか?」
行きなりひょっこり現れた総司に、正直かなりビビったが、あくまでも平静を保った
「てめぇに発句集奪われた事だよ」
すると、総司は「だって、土方さんの発句集面白すぎるんですもん」と、へらへら笑って何処かに消えていった
ほんっとに、腹立つ
まあ、今は鈴を探すしかないか
もしあの時落としたなら、確実に鈴が「いい暇潰しになりそう」とか言って拾うだろう
この事が総司にバレないうちに、早く見つなくては
「鈴……読んでたらコロス」
俺は、急いで鈴がいそうな所を探し始めた


