翌日、私は久しぶりに惣次郎と縁側でお茶を飲んでいた
「ねぇ、鈴檎。君の頭、ほんとの鈴檎みたいで面白いんだけど」
それから、私の頭を見て「ぷっ」と吹き出す惣次郎を思いっきり睨み付けた
惣次郎は、「冗談冗談」といいながらも、笑っていた
そして、不意に髪紐を触った
「この髪紐と簪、どおしたの?」
「髪紐は、友達から貰った」
すると、惣次郎は怪訝そうな顔を向けてきた
「町歩いてたら、私の事が見える人がいたの…それで、話してたら仲良くなったの」
すると、惣次郎は、「じゃあ簪は?」と言うので、わたしは素直に「店から適当にとってきた」といった
すると、なぜか惣次郎に盛大なため息をされた
「あんまり町から物をとると、お祓いされちゃうよ」
「縁起でもないこと言わないでよ……それに」
「それに?」
「龍馬と、もう盗みはしないって約束したから」
私の、龍馬という言葉に、惣次郎の眉がピクッと動いた
「龍馬って?」
「私の友達…この髪紐くれた人」
「ふうん……どんな人?」
すると、私は龍馬を思い出して思わず吹き出した
「頭もじゃもじゃで、ぜよ〜ってゆうひと」
すると、さっきまで仏頂面だった惣次郎がとたんに吹き出した
「なんだそれ」
「わしにもさっぱり分からんぜよ!!」
龍馬の真似をしていると、惣次郎はさらに大爆笑していた
こんなに笑うのは久しぶりだ
いつまでもこんなに平和だったら、いいのにな……


